咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

花の咲き方

リロード30. 新聞

「人生でほんとうに大切なこと」 2人に1人ががんになるといっても、多くの人はがんと診断されて混乱する。 そんながん患者や家族の心のケアを担当する、国立がん研究センター中央病院の精神腫瘍科。 患者の心に寄り添う精神腫瘍医の思いと、7人の患者の経…

リロード29. 謝恩

「私の病気は治らないのです。彼らの祈りは通じない。彼らの祈りは報われることは無い。だから祈っていただくことが申し訳ないと思ってしまうのです。私にはおかえしできるものがなにもない・・・・」 「祈る人は“見返り”を求めて祈るものでしょうか?」 「…

リロード28. 一緒

映画「インセプション」を再び観た。 愛する人と、永遠に一緒にいたい。 愛する人を失うことに、耐えられそうにない。 「私は列車を待ってる 遠くへ向かう列車を 望む場所へ行けるけど、それが何処かは分からない でも、それでも構わない。行き先は何処でも…

リロード27. 発芽

「人生でほんとうに大切なこと」が出版されて半年が過ぎた。 著者の稲垣さんや、清水先生もたくさんの感想をいただいたとのことだ。 精神腫瘍科の存在を初めて知ったというものも多かったという。 そして、清水先生が説く≪レジリエンスの力≫に興味を持った方…

リロード26. 快報

「千賀さんが治験となった新薬が認可されました」 2018年4月、国立がん研究センター中央病院の主治医に笑顔で言われた。 私は胸のすく思いがした。 新しい抗がん剤の開発の治験者になることを選んだのは、2015年9月だった。 私はプラチナ製剤の抗がん剤の二…

リロード25. 解放

≪解放≫への通過儀礼は、1989年生れの赤い車と一緒に始まった。 「朝、家に迎えに行く。海ほたるまで走って、モーニングを食って帰って来るっていうドライブにいかないか?」まるで学生時代のような彼の誘いが快かった。 ≪馬≫だの、≪騎手≫だの、結局、私はま…

リロード24. 四季

いったい何歳まで生きれば「もう十分、よく生きた」と言ってもらえるのだろう? そんなことを考えるようになった。 去年の今ごろは、「死にたくない」と願っていた。 それは、自分が死ぬには、まだ早いと思っていたからだ。 死ぬには、まだ若いと思っていた…

リロード23. 待機

生きることと向き合う対話ともいえる「人生でほんとうに大切なこと」をもとにした 動画の制作についてはプロジェクトリーダーの応援団長Uさんに 絵本について は、絵本組組頭(えほんぐみくみがしら)の東條知美さんに 託すことになった 私はしばし≪待機≫す…

リロード22. 大切

「千賀さんにとって、あの本が、とても大切であることが、よくわかりました」 清水先生は、私の話を聞き終わるとそういった。 「人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話」 書籍というものが、出版されてから3ヶ月程度で店…

リロード21. 新人

病気になって3回目の春がやって来た。 他の部位とは違い、肺がんについては5年が経過してはじめて 「寛解(がんが治癒していること)していましたね」 というものだ、と、主治医がいう。 『病気になったことは私の人生の1ページに過ぎない』 と、いくら強が…

リロード20. 動画

がんに罹患した人に、その家族に、「精神腫瘍医」が存在することを伝えたい。 絶望したり、傷つけあうことで残りの時間を費やすことの無いように。 そんな「思い」が、作家稲垣麻由美さんの著書「人生でほんとうに大切なこと」という「形」になりました。 こ…

リロード19. 手綱

「千賀さんという≪騎手≫は、千賀さんという≪馬≫を操ろうとし過ぎていないか?」 先日の清水先生の問いを、私はそう受け取った。 あの頃 私の中の≪騎手≫の、「泣いてはいけない」という手綱を振り切って 私の中の≪馬≫は「泣きたかった」 その結果、私は泣いて…

リロード18. 騎馬

【写真は駒込教会での講演会】 「人を≪騎手≫と≪馬≫に例えましょう」 清水先生が、両手を使って≪騎手≫と≪馬≫を表現する ≪騎手≫が≪馬≫の上に乗っている 「これまで、≪騎手≫が≪馬≫を思い通りに走らせてきた。 ≪騎手≫は、手綱を引き、時には鞭で≪馬≫を叩いて、≪…

リロード17. 海鳴

このチラシを二人の人が私に送ってきてくれた 一人は高校時代の友人。 私にチケットを「押し売られて」見に来てくれた彼は、 異常といえるほど「物持ちが良い」男で、いろいろなモノを保存していて 折に触れては、それを取り出して見せてくれる。 今回は、彼…

リロード16. 竿頭

「2018年2月の京都での還暦修学旅行」 私はついに、2015年の9月に、奈落の闇の中から見上げた場所に達した。 そこに、私はみんなの祈りに報いるために行った。 私は、「ありがとう」を伝えに行った。 しかし みんなの祈りへの「ありがとう」を伝えに行ったは…

リロード15. 知足

「覚えてないとは思うけど」 高校を卒業して以来、ご無沙汰していた彼は、再会するなり、そう切り出した。 「高校の教室で初めて声をかけてくれたのが、千賀くんだったんだ」 彼は下宿での独り暮らしをはじめたばかりの15歳の少年だった 「声をかけられて、…

リロード14. 予祝

「吉事」を前もって祝福することを、古来から「予祝」というらしい 予め祝っておくことで、本当に「吉事」を呼び寄せる という考え方が古来からあるという 「還暦修学旅行」の最中の2月11日は、私の誕生日 みんなが、私の誕生日を祝ってくれた 「59」になる…

リロード13. 約束

2015年の9月に入院。2ヶ月間放射線と抗がん剤の同時治療 5年生存率5%を20%に向上させるために治療を受けた その時、熊本の友人たちが祈ってくれた 「2018年2月に京都で会おう!」と応援してくれた 熊本高校の昭和52年卒業生による「還暦修学旅行」は、 同…

リロード12. 立春

≪痛み≫が鎮まるのには、傷が癒えるか、痛み自身を鎮めるしかない ふと、≪怨霊≫と≪痛み≫が同じようにも思えた ≪怨霊≫は自ら成仏するか、≪鎮魂≫されねば消えることはない ≪怨霊≫も≪痛み≫も相手を≪辛き目≫に合わせることで、その存在を主張する しかし、≪怨霊≫…

リロード11. 絵本

左から右に向かって、時と縁がつながっている 左の写真 2017年12月10日 駒込教会にて開催された「人生でほんとうに大切なもの」講演会 著者の稲垣さんと千賀と一緒にいるのが、絵本コーディネーターの東條知美さん 中央の写真 その東條知美さんが、1月26日に…

リロード10. 特別

能楽堂の売店には、通常は能楽関係の商品のみが販売されている 書籍に関しても謡曲集や能楽の歴史に関する書籍のみ しかし、水道橋の宝生能楽堂の売店には、能楽関係書籍にまじって 特別に「人生でほんとうに大切なこと」も販売されている ━精神腫瘍科の存在…

リロード9. 開花

≪咲きも残らず、散りもはじめず≫ 花が満開で咲く≪今、この時≫を歌ったこの古い歌は、謡曲「鞍馬天狗」からとった 私はノンフィクション作家である稲垣麻由美さんが「人生でほんとうに大切なこと」を執筆するきっかけを作り、なおかつ、自身の背中を描いても…

リロード8. 縁起

何かの事が≪なる≫には、不思議に人が集うことを思い知った しかし、その集う人たちは不思議な≪縁≫に結ばれているような気がする この龍はFace bookのカバーにし続けている ━これは縁起が良い龍らしいです そういってこの画像を送ってくれた人が、稲垣麻由美…

リロード7. 明日

清水先生の問いに答えを探す私は、ふと「明日への力」とタイトルされた絵を、 「人生でほんとうに大切なこと」の著者である稲垣麻由美さんに贈られたことを思い出した ━贈ることを迷ったけれども、後悔しないことのほうが大事であることを 毎日学んでいるの…

リロード6. 逆行

「千賀さんが、今、成功していないと思っているのならば、 元に戻っている、ということになってしまいませんかね」 かつての私は、未来や成功にしばられていた そのことが病気になった自分を責めた 私は病気になった私を責めた 私は泣いた 私は苦しんだ 私は…

リロード5. 贈物

がんセンターへの通院での、今年最後の精神腫瘍科の受診 清水先生の時間だ 思えば去年の「最後の質問」は、 「先生が診察した他のがん患者は、何を悩み、 何に苦しんでいたのか?」 という質問だった 私が何故、他のがん患者の悩みや苦しみを知りたかったの…

リロード4. 予感

クリスマスプレゼントをいただきました そういえば、この春に、 ターシャ・テュダーの本をいただいてから 物語が急転回したのでした エピソード29. 回生 - 咲きも残らず散りもはじめず また、転回するのかしらん 能子さん、ほんとうに、ありがとうございます

リロード3. 南風

彼の奥さんからメールがきた 「人生でほんとうに大切なこと」を読んでくれたという 彼も、彼の奥さんも、精神腫瘍医のケアを受けた 彼も、彼の奥さんも、がんに混乱し、苦しめられたのだ そして、彼が去った後でも奥さんは苦しみ続けていたのだ 「ひとつの生…

リロード2. 共通

「肺がんです」 2015年の初夏に病名を告げられた時、不思議な既視感のようなものを感じた 10年前のことだった。 「肺がんなんです」 奥さんがメールで彼の病名を教えてくれた 彼と私は互いに「親友」として付き合っていた しかし 彼は最後まで私に病名を黙っ…

リロード1. 復活

震災で倒壊した熊本城を「ミニチュア」で復活させるプロジェクトに 我らがネストグラフィックス社社長河北信彦さんが参加中 復活した熊本城下町をよく見ると、あの本のポスターが!!! 職権乱用してイタズラしてくれました 復活の烽火は 再出発の焔は 意外…