咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

エピソード10. 迷子

2017年8月27日夜、 テレビを観ていたら、こんな台詞が耳に残った

「道に迷った者に、『どこにいるのか声をあげよ』というのは、無理なこと。

 一緒に迷うことで、ゆっくりと手を引いてやろうとされておるのではないか」

 

同じことをしてもらった経験があった

あれは、2016年になったばかりの冬のことだった

 

2015年の秋の退院後に始まった、それまで、経験したことのないような激しい痛み

 

『治療をすれば症状が改善されるはず。それなのに、治療前よりも治療後のほうが、

 体調が悪くなるというのは、どういうことなのか。理不尽ではないか』

そんな、やり場のない怒り

 

そして、職場復帰して知る、自分が失ったもの。

その最たるものは≪自信≫だった

 

前だけを向いて歩いてきた私は、途方に暮れてしまった

 

私は≪迷子≫になってしまった

 

 

そんな私に、『一緒に迷うことで、ゆっくりと手を引いて』くれた人がいた

 

それが、国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科医の医師だった