咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

リロード5. 贈物

がんセンターへの通院での、今年最後の精神腫瘍科の受診

清水先生の時間だ

 

思えば去年の「最後の質問」は、

「先生が診察した他のがん患者は、何を悩み、 何に苦しんでいたのか?」

という質問だった

私が何故、他のがん患者の悩みや苦しみを知りたかったのかというと、

自分の悩みや苦しみが、 他の人と違っていないことを知りたかったからだ

私は、自分が「間違った悩みや苦しみ」 に時間を使ってしまうことが怖かった

私は残された時間を無駄なく使いたいと一心に願っていた

去年の今頃の私は死ぬ気満々だった 

 

去年の今頃は、本が出版されることは未だ決まっていなかった 

「人生でほんとうに大切なこと がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話」

 

今年の「最後の時間」は、娘に貰ったクリスマスプレゼントの紹介で始まった

去年と同じように、今年も娘がクリスマスプレゼントに手帳をくれた

ことしの手帳は、星座占いになっている

表紙を見るなり、清水先生が珍しく大笑いした

全国の、いや、全世界のみずがめ座のみなさんが、同じ運命を辿るのだろうか

 私は、統計という運命を超えて生きてゆこうしている

 運命を超えてゆくのに、占いも結構、役にたつかもしれない

「まあ、なにをもって「成功」とするかにもよるけれど」

 私も笑って清水先生にいった

「長生きしないわけには、いかなくなってしまいました」

 

去年の12月の私と、今年の12月の私は、

身体の状況はまったく変わっていない

統計上の数値が変わったわけではない

しかし、死ぬ気満々の私が、長生きする気の私になっている

 

清水先生が尋ねてきた

「千賀さんは成功していない、と思っているのですか?」

 

それからセッションが始まった

 

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