咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

はざまのカミサマ 3

 

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このクニで、狐がカミサマのお使いになったのは、

このクニの人たちがお米を食べるようになった頃かもしれません。

人々は、稲穂と同じ黄金色をしたケモノのことを「特別なイキモノ」だと思いました。

 

このクニの人々は、あらゆるモノは年を経ると「カミサマ」になると思っていました。

このクニの人々は、自分たちの周囲に「カミサマ」がいて欲しいと思っていました。

このクニの四つの季節をめぐる自然の力は、人々にとって恐ろしいものです。

その自然の力のことを人々はカミサマの力であると思いました。

 

人々は、イキモノは年を重ねると「カミサマ」に近づいてゆくと思っていました。

ですから、年を重ねた黄金色のケモノを「カミサマ」のお使いだと思ったのです。

あらゆるイノチがカミサマになるこのクニで、そのカミサマたちの王が「はざまのカミサマ」です。その「はざまのカミサマ」のお使いが「狐面」をつけていたのには

そんな理由がありました。

 

「はざまのカミサマ」と狐面のお使いたちは、黄昏色の世界で静かに待っていました。

次のイノチが、「この世」と「あの世」の「はざまの世」に入ってくる時を。