咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

はざまのカミサマ外伝.秦河勝15

f:id:syukugami:20191114184916j:plain

河勝は後に「聖徳太子」と呼ばれることになる上宮皇子に出会ったときのことを、懐かしく思います。

「この皇子こそ、王の王とならん」

河勝は、皇子をカミサマにすることにします。このクニでは「伝説」があればカミサマになれます。河勝は、皇子のために様々な「伝説」を用意しました。

渡来人である河勝は、「景教」と呼ばれるこのクニの「極西」の土地で栄える宗教の知識がありました。 河勝は上宮皇子に、このクニに景教を取り入れることを勧めました。何しろその景教の神様は馬屋で産まれたといわれていたからです。上宮皇子こと「厩戸皇子」は、景教にも門戸を開放しました。

カミサマになる準備か始まります。

上宮皇子は秦河勝の振る舞いを、面白そうにみていらっしゃいました。

このクニには仏教、百済仏教、新羅仏教だけでなく、後に南都六宗と呼ばれるほどの様々な「仏教」が流れ込んできていました。

なお、桓武帝がこれらの六宗では不足であるとして、六宗の源になる「天台宗」を学ばせるために伝教大師最澄を唐に遣わせるのは、後の話。

河勝はおもわず微笑みます。

上宮皇子がさらに扉を開いたおかげで、このクニにはそれまでいた八百万の神々に加えて、仏たち、つまり、釈迦、菩薩、明王、天部衆というたくさんの「神様」がこのクニに流れ込んで来たわけです。さらには儒教の神様たち、道教の神様たち、西域の神様たち。このクニは神様で満ち溢れます。

「困った時におすがりできる神様の数が増えたわけだ」

河勝の微笑みが広がります。