咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

はざまのカミサマ外伝.田村3

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東大寺盧舎那仏は、役に立たない」

桓武帝は、東大寺の大仏にそんな評価を下したのかも知れません。この場合の役に立たないというのは、もちろん、帝の利益にならないということを指します。

何故なら、桓武帝の皇太子であった弟君は「親王禅師」と称されて東大寺別当を務めていたにもかかわらず、謀反人として憤死させられる事件が起きたからです。

平城宮の仏教、南都六宗鎮護国家の仏教です。

この鎮護国家の国家とは、すなわち帝のことでした。

帝こそがこのクニの草木国土の主人です。

ですから、帝にはこのクニの災いを祓う力が必要です。

このクニの草木国土を災いから護る為に、上宮太子聖徳皇は、ありとあらゆる仏様や神様をお迎えしました。

天武天皇系はその中でも南都六宗を重んじてきました。

しかし、その血統は続かずに、天智天皇系である桓武帝が帝位にまわってきました。その上、親王禅師であった東大寺別当の身さえ護ることができませんでした。

「新しい仏様や神様が必要だ」

桓武帝は、南都六宗の源という「天台宗」の仏様を大陸からお迎えすることにしました。

しかし、仏様だけでは不安です。

新しい神様も必要です。

桓武帝は、新しい神様をお迎えする「使者」として、

坂上田村麻呂を選びました。

そして、征夷大将軍として東に征くことを命じます。

坂上田村麻呂は、「狐神を探せ」と命じられます。