咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

はざまのカミサマ外伝.田村13

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蝦夷のカミサマとは?

田村麻呂は考えを巡らせます。

狐神に守護されるカミサマ。

狐神は稲荷神。

桓武帝の大和朝廷が、稲作に適さない蝦夷の土地の支配を目指すのは、「新たなカミサマ」を捜す為です。

しかし、かつての蝦夷征伐の目的は違いました。

蝦夷の土地には、「黄金」がありました。

そして、その「黄金」を産出する技術を持っているのは、物部一族でした。

物部氏の祖先はニギハヤノミコトといい、ニニギノミコト、つまり神武天皇の勢力が近畿地方に至るまで、近畿から東の地域を支配していた「天津神」です。いわば、カミサマとして物部氏天皇家と同格だったのです。

しかし、「太陽の女神の子孫が大王となる」という「神話」の為に、ニギハヤノミコトはニギハヤノミコトに王座を譲りました。ニギハヤノミコトは物部氏を名乗り、天照大神の孫である神武天皇の臣下となります。

その物部氏が「仏教」をきっかけとして大和から追い落とされます。

それでも物部氏は、いわば東日本の主でした。

物部氏は黄金をも握っていました。

物部氏は西日本、つまり、大和朝廷と争うつもりはありませんでした。

一方で天武天皇の血統の大和朝廷は、鎮護国家の為に東大寺の大仏を造ることになりました。

東大寺盧舎那仏には、黄金が必要です。

そして、黄金は蝦夷の土地にありました。