咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

はざまのカミサマ外伝.田村14

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奈良の大仏の鋳造は田村麻呂の時代からほんの50年前のことでした。

武帝系の大和朝廷は、「蝦夷征伐」という名の黄金強奪戦を始めました。

田村麻呂は、そのイクサを終わらせに来ています。

大陸からの渡来人の子孫である田村麻呂は、このクニの歴史を学んでいました。80年ほど前、つまり田村麻呂の祖父の時代に表された「古事記」や「日本書記」という天武帝系に都合良く書かれた「史書」は、大陸の歴史書同様に「勝者に都合良く捏造された創作物」であることを理解しておりました。

なにより、今は桓武帝の時代。天武帝に滅ぼされかけた天智天皇の血統の帝の時代です。

「天武帝系の帝たちは、自らの守護者として仏を選んだ」

武帝たちは奈良の大仏をはじめとした南都六宗の仏教からの守護を期待しました。

けれども、その血統は滅び、天智帝系が蘇りました。

「仏ならば、新しい仏の守護を得られることになる」

都の鬼門には、唐から最澄が持ち帰った天台宗を根本とする比叡山延暦寺ができました。

それでも、田村麻呂は桓武帝の命をうけ、この蝦夷地に新しいカミサマ、その実は早良親王の霊を探しに来たのでした。