咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

はざまのカミサマ外伝.田村20

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蝦夷の酋長モレの言う通りなのです。 

大和朝廷蝦夷を蔑む理由に、

蝦夷は蛮族で道理がわからない」

ということがあります。

しかし、 仏教を信仰していることからも、  悪霊を恐れることからも、

「不殺」

を主張する大和朝廷が、

蛮族であるという理由で蝦夷の酋長の殺しては、

まさに「道理」が通りません。

「二枚舌、ということだ」

言行の不一致。

言うことと、やることが一致しない者は信用できない。

大和朝廷は民に仏教と米作を勧めます。いや、強います。

大和朝廷に従わない蝦夷の民は狩猟で肉食し、 雑穀、主に稗を食べて、独自の宗教を持っています。

稗。のぎへんに卑しいと書く、この文字からして、大和朝廷が米以外の植物を蔑もうとしていることがわかります。

田村麻呂は、言葉に窮してしまいます。

「私たちの斬首が、田村麻呂、お前を英雄に、いや、伝説の軍神にすることになる」

沈黙する田村麻呂に向かって蝦夷の酋長アテルイが、

静かに話し始めました。