乱れた天下を静めるために、矛をとめる、つまり「武」を成す。
「天下静謐」のための「天下布武」
日本はひとつになりました。
絶対強者である桓武帝の下で、「天下静謐」となります。
しかし、桓武帝による「天下静謐」は、すぐに綻びます。
桓武帝は、大和朝廷に逆らう勢力が居なくなった、つまり「無敵」になったことから、朝廷の常備軍団を解散してしまいます。
当時の朝廷の常備軍団という、公的な軍事力が不在になれば、誰しもが「私的な軍事力」を必要とするようになります。
何故ならば、紛争を解決する能力を、大和朝廷は持っていなかったからなのです。
ここでいう「紛争」とは、田畑の「境」についての争いや、田に引く水の争い、いわゆる「我田引水」などの争いのことです。これらの「紛争」は、まさに生活がかかった紛争ですから、「実効支配力」が全てです。
「実行支配力」は、武力によって裏打ちされます。
こうした「実行支配力」を持つ「武装農民」が、
一つ所に命を、懸けることから、
「一所懸命」という日本人の美質の一つとされる言葉が生まれることにもなります。
「武士」の登場は、この島国の人々に、大きな影響を与えることになります。
そして、この島国の人々に影響を与えるということは、
この島の森羅万象の精霊の王たる「はざまのカミサマ」にも無関係ではいられませんでした。