咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

はざまのカミサマ外伝.西行10

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天下が騒乱するのは、群雄が割拠するから。

そのことは、源頼朝が競争相手の全てを殺し尽くして、自分だけが権力を独占してはじめて「天下静謐」になることで証明されました。

もしも、平清盛が自分や義経を殺していたならば、平家は滅びることは無かっただろうか?

頼朝は自分が殺されなかったからこそ、競争相手やその可能性がある全ての命を根絶やしにしました。

自己満足な慈悲心で目の前の敵方の子供の命を救うことが、敵味方、大勢の命を奪い取る遠因になることを、自分が実証してしまったからです。

こうして右大将源頼朝は、征夷大将軍となり、「幕府」という、朝廷とは別系統の権力機構を作り上げます。

西行との語らいの後に、頼朝が鶴岡八幡宮流鏑馬を奉納したのは、弓馬の名人であった西行こと佐藤義清を偲んでのことだったのでしょうか。

あるいは、他の誰かの霊への鎮魂のためだったのでしょうか。

その頼朝の命も、「武士の世」の骨組みが完成するや否や失われます。

頼朝の死因は落馬した時の怪我、とされていますが、定かではありません。

歴史は強者のものですが、強者は人目につかない場合もあります。

定かではない、といえば、

西行法師こと佐藤義清が「出家」した理由も、

さまざま説があり、定かではありません。

「はざまのカミサマ」がその理由であることは、

誰にも知られてはいません。