咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

はざまのカミサマ外伝.西行14

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西行が愛した、桜。

 

桜は咲いてよし。散ってよし。

と、いわれるます。日本人にとっては「特別な花」です。

 

「さ」という文字は「穀物の精霊」を意味するといわれ、

「くら」は、カミサマが座る場所を意味します。

よって「さくら」とは、春になり穀物の精霊が最初に座る場所を意味します。

 

春が来る、ということは、冬が終わることそ意味します。

春夏秋冬、四季の季節変化が鮮やかな日本において、

春は新しい生命の誕生の時であり、桜は咲き始めかたら、花吹雪となって散りさるまで

日本人の生命賛歌を歌います。

 

「春風の 花を散らすとみる夢は 冷めても 胸の騒ぐなりけり」

「散る花は また来ん春も咲きぬべし 別れはいつか 巡りあふべき」

 

桜によせて「生命賛歌」を詠み続けた西行には、

「反魂の術」という呪術を用いて「死者を蘇らせようとした」

という噂がありました。

 

いえ、「造人」の噂、といった方が良いかもしれません。

「同じ憂世を厭ひし花月の情をわきまへらん友」と造ろうとした。

というのが、その動機であるといわレています。

 

西行は孤独であった。

そう、思われていました。

西行法師。眉目秀麗、容姿端麗、さらに武芸に秀でた歌の天才。出家。

人々は、「カミサマに愛された存在」は「孤独」になってしまう。

ということを、経験で知っていたのでした。