咲きも残らず散りもはじめず

タイトルは満開に咲く花を歌った古歌より

はざまのカミサマ外伝.西行19

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「はざまの世」を垣間見た者や感応した者は、たくさんいました。

  その多くは、子どもでした。

 そして、その多くは「そんな世界は無い」ということで自分を納得させました.

 

 他人には見えないモノの姿が、自分にだけ見える。

 他人には聞こえない声が、音が、自分にだけ聞こえる。

 確かに、「そんな世界は無い」ということにした方が良さそうです。

 

 しかし、西行たちのように、「はざまの世」の息吹を「この世」に伝えようとした者は、

 間違い無くいました。

 

 清少納言は「うつくしきもの」「すさまじきもの」など、

 「をかし」という美世界を現出させました。

 

 「をかし」という言葉は次のような意味を持つことになります。

 ①こっけい、変だ 

 ②興味深い、面白い

 ③趣がある。風情がある。

 ④美しい、優美だ、愛らしい。

 ⑤優れている。見事だ。

 このように「をかし」には知性的な美意識があります。

 

 その一方的、紫式部は「もののあはれ」という心情的な美世界を描きます。

 

 「源氏物語」では、美貌の光源氏の不倫の恋を描きます。

 そこには「もののあはれ」という無常観はありますが、

 仏教や儒教の教えに背くものが見受けられます。

 例えば、「不倫」に対する罪悪感を、読者に訴えかけるものではありません。

 

 「をかし」の清少納言や「もののあはれ」の紫式部

 そして、その存在自体が独自の美世界を現出した小野小町らの女性たち。

 

 彼女たちが築き上げてきた「日本の美世界」を、

「漂泊者 西行」は、どのように広げたのでしょうか。