はざまのカミサマの世界は、
たとえば、昼と夜のはざまの「黄昏」のように曖昧な世界です。
たとえば、夜と朝のはざまの「夜明け」のような刹那の世界です。
そんな世界に、はざまのカミサマはいつでもいます。
はざまのカミサマには三人のが従者がいます。
「三人」といっても人ではありませんが…。
「三狐神」と呼ばれる彼らは、はざまのカミサマの周囲の三方にいます。
昇る太陽を背にする、つまり、東にぬかづく青い狐面をつけた従者。
中天の太陽を背にする、つまり、南にぬかづく赤い狐面をつけた従者。
沈む太陽を背にする、つまり、西にぬかづく白い狐面をつけた従者。
三狐神が見上げる方向、つまり、北に、はざまのカミサマはいます。
「三」の次は「死」です。
はざまのカミサマはすべての「命」にかかわるカミサマでもあります。
とはいえ、はざまのカミサマは「死神」というわけではありません。
すべての「いのち」は、時が経てば必ずはざまのカミサマの世界に至ります。
「いのち」というものは、そうものなのです。