はざまのカミサマを中心に、東西南北をお守りする狐面。
東の狐面の色は青。顕すのは月。
南の狐面の色は赤。顕すのは花。
西の狐面の色は白。顕すのは雪。
そして、北には黒。顕すのは風。
「雪」「月」「花」というこの国の美しきものたち。
そして、その美しきものたちを移ろわせるのが「風」。
はざまのカミサマの従者たちが狐面になったこと。
その狐面に色がついたこと。
そして、雪、月、花、風という「意味」を持ったこと。
それらに「因果」があるとするならば、
どちらが「因」で、どちらが「果」なのか。
黒狐の面は、雪、月、花を見回します。
そして思います。
形を持たない「風」とは、
もしや「時」を意味するのではないか。
と。
形ある美しきものたちを、移ろわせるのは「時」。
形ある美しきものたちを、輝かせるのは「時」。
東西南北に連なるこの島国の美しさとは、
形あるものたちの移ろう様を愛でることではないか。
と。