2023-12-10 春のカミサマ.13 春のカミサマ いつしかケムシの身体には、 異変がおきてしまいます。 ケムシの毛針は抜けおちて、 硬い皮にて覆われます。 ケムシは動けなくなります。 身動きとれないケムシは、 深い眠りに落ちました。 長い眠りのその果てに、 懐かしい声が聞こえます。 「希望のミノが受け継がれ、 止まった時が動き出した。 ケムシくん、約束を果たせ。 笑って。笑ってごらん」 たしかにそれはクモの声。